日本語には、雨を表す(区別する)言葉がたくさんあります。
- 小雨
- 霧雨
- 雷雨
- 五月雨
- 氷雨
- 豪雨
- 時雨
- 春雨
- ・・・
- など。
雨の降り方や量、季節によって、細かく区別するためです。
細かく区分することが、生活の役に立っているのです。
雨にあまり影響されない生活をしている人なら、日本語を話す人でも、細かい区別は必要なく、雨は「雨」で済ますことができてしまいます。
一方、砂漠地域の言語(アラビア語)には、ラクダに関する言葉が多いのだそうです。
- 「ハワール」は、6ヶ月までのラクダ
- 「マフルード」は、1年までのラクダ
- 「ジャマル」は、8歳以上のオスラクダ
- 「ハファド」は、荷を運ぶラクダ
- 「ジャフール」は、なんでも恐れる臆病なラクダ
- ・・・
- など。
というように、雌雄や年齢、役割、性格などで区別する言葉があるそうです。
それだけ、細かく区分することが生活の役に立つのでしょう。
日本人の多くは、ラクダはみんな「ラクダ」だと思います。
ボキャブラリのフィルタ
この区別の細かさ、多様さがボキャブラリのフィルタになります。
「氷雨」と言われて、どんな雨かが分かる人と分からない人では、伝わること・受け取ることに差ができます。
「雨」と言うだけで済む人と「どんな雨のことだよ。」と疑問に思う人との間にも、違いが生まれます。
私は、「ジャマル」と言われても、それがラクダのことを言っているとは、まったく想像できません。
このように、その人のボキャブラリは、ps-f(心理的フィルタ)を形成する要因になるのです。